【読書感想】まさかの号泣…「バッタを倒しにアフリカへ」
表紙には全身に緑色の布を巻き付け、顔を緑色に塗った一人の男性。
この本の著者、前野ウルド浩太郎氏である。
うふふ、変態だなー。きっとこの本は面白いだろうなー。
前半部分はバッタ研究のためにアフリカ、モーリタニアに行き、言葉が通じなかったり、ぼったくられたり(お金ないのに…)、そもそも研究対象のバッタがいなかったり。
若き研究者の苦労が書かれていたが面白く読める理由は、著者の「バッタが好き。研究が好き。」が全面に出ており、大変そうなのに幸せ感があふれているからではないだろうか。
「努力は夢中に勝てない」はビームスの経営者、設楽洋氏の言葉だが、前野氏の「夢中」は周りの人の心も大いに動かしている。
バッタがいなくてもゴミダマ(浮気相手と呼んでいた)で論文を書くバイタリティー。
ババ所長は無収入の前野氏を全面的に支援する。
ブログは家族や友人への近況報告のようなものであったようだが、継続の結果ライティングのトレーニングとなり、書籍出版への近道となる。
書籍やブログは研究と関係ない人たちの目に止まり、プレジデントの石井氏と出会う。
プレジデントオンラインでの連載(現在は終了しているがバックナンバーは読める)やニコニコ会議への参加。
京都大学白眉プロジェクトへの合格。
前野氏も著書に書いている通り研究者としてやや回り道をしているかもしれないが、全ての経験が彼の糧となっており、またそれについて書籍の中で幾度となく感謝の言葉を述べていた。
前野氏の「夢中」がただバッタを研究をしたい、という独りよがりのものではなく、バッタ研究を通じて、「世界を救いたい」というとてつもない、けれど本気の夢が周りの人を動かして彼に研究を継続できる道を用意したのではないかと思う。
無収入で不安な著者へババ所長がかける言葉や白眉プロジェクト面接での松本総長の言葉は感動のあまり号泣必須である。
夢の達成のためへの道は決して一つではない。
バッタが出没せずお暇になってしまった著者が「本を出そう!」と決めたとき、
「それにしても、目標とは生きていく上でなんと重要なのだろう」
と書いている。
今できる行動を目標にして、自分の夢に向かって進んでいく。
とにかく小さなことでも行動を起こしていく。
独りよがりにならないように夢を人様に語っていく。
私は大好きな株式投資や親から教えてもらったお金の知識が「誰かの幸せ」に
つなげられるのではないかと思って、このブログをスタートした。
少しずつでも更新ができるように頑張ろう!
今日もよい本に出会ったな、と幸せである。